アーク溶接,溶接機,方法,種類,記号,TIG,ガス,スポット,継手,開先等-JIS規格

 

アーク溶接現象



FN(フェライト番号)とは、溶接技術の分野において術語として用いられる溶接用語で、アーク溶接の溶接現象に定義される用語の一つです。
FNは、”Ferrite Number”の頭文字でフェライト番号と呼ばれるものです。
FN(フェライト番号)は、磁気的な感度の対比によってフェライト量を規定した値のことです。

すみ肉のサイズとは、溶接技術の分野において術語として用いられる溶接用語で、アーク溶接の溶接現象に定義される用語の一つです。
すみ肉のサイズは、下の参考図のように、すみ肉の溶接金属(溶接部の一部で、溶接中に溶融凝固した金属)の大きさを表すために用いられる寸法で、下の参考図のように、図のS1、S2、S3の寸法で示され、すみ肉溶接金属断面内での最大直角二等辺三角形又は最大直角三角形を形成できるS寸法のことです。
なお、すみ肉溶接(ほぼ直角に交わる二つの面のすみに溶接する、三角形の断面をもつ溶接)の形状には、下図のように、等脚へこみすみ肉溶接、等脚とつすみ肉溶接、不等脚すみ肉溶接の形状があります。

(すみ肉の)のど厚/理論のど厚/実際のど厚とは、溶接技術の分野において術語として用いられる溶接用語で、アーク溶接の溶接現象に定義される用語の一つです。
のど厚/理論のど厚/実際のど厚は、すみ肉溶接(ほぼ直角に交わる二つの面のすみに溶接する、三角形の断面をもつ溶接)の大きさを表すために用いられる寸法で、下の参考図のように定義される部分の寸法のことです。
(すみ肉の)のど厚には、設計計算上用いる理論のど厚と、実際上溶接された所の実際のど厚とがあります。なお、のど厚は、”のどあつ”と読みます。

アークの安定性とは、溶接技術の分野において術語として用いられる溶接用語で、アーク溶接の溶接現象に定義される用語の一つです。
アークの安定性は、アーク溶接(アークを熱源とする溶接(融接))におけるアークの安定度合いのことです。アークの安定性は、アーク長(アークの両端間の距離)やアークの指向性などが一定している度合いとして測られます。

アークストライクとは、溶接技術の分野において術語として用いられる溶接用語で、アーク溶接の溶接現象に定義される用語の一つです。アークストライクは、アーク溶接(アークを熱源とする溶接(融接))の際に、母材の上に瞬間的にアークを飛ばして直ぐに切ることの意味と、その現象によって溶接部(溶接金属及び熱影響部を含んだ部分の総称)に生じる溶接欠陥を意味する場合もあります。

アークタイムとは、溶接技術の分野において術語として用いられる溶接用語で、アーク溶接の溶接現象に定義される用語の一つです。
アークタイムは、アーク溶接(アークを熱源とする溶接(融接))において、アークを出している時間のことです。
溶接の生産性を向上させるためには、アークタイム率を増加させることも一つの要素になります。

アーク長とは、溶接技術の分野において術語として用いられる溶接用語で、アーク溶接の溶接現象に定義される用語の一つです。
アーク長は、アーク溶接(アークを熱源とする溶接(融接))を行う際のアークの両端間の距離のことです。

アーク電圧とは、溶接技術の分野において術語として用いられる溶接用語で、アーク溶接の溶接現象に定義される用語の一つです。
アーク電圧は、アーク溶接(アークを熱源とする溶接(融接))を行う際のアークの両端間の電圧のことです。

アース接続とは、溶接技術の分野において術語として用いられる溶接用語で、アーク溶接の溶接現象に定義される用語の一つです。
アース接続は、溶接機内部の漏電による感電を防ぐために溶接機箱を電気的に大地へ接地するすることです。アース接続(接地)は、安全対策の一つです。

ウィービングとは、溶接技術の分野において術語として用いられる溶接用語で、アーク溶接の溶接現象に定義される用語の一つです。
ウィービングは、溶接を行う際の運棒方法の一つです。
ウィービングでは、溶接方向に対して溶接棒をほぼ直角に交互に動かしながら溶接を行います。

エンドタブとは、溶接技術の分野において術語として用いられる溶接用語で、アーク溶接の溶接現象に定義される用語の一つです。
エンドタブは、溶接時の溶接補助部材の一種である補助板です。エンドタブは、溶接線(ビード、溶接部を一つの線として表すときの仮定線)の端部に取り付けられます。
エンドタブは、主に突合せ溶接(母材がほぼ同じ面内の溶接継手となる溶接)の始端と終端に取り付けれます。

(溶着順序の)カスケード法とは、溶接技術の分野において術語として用いられる溶接用語で、アーク溶接の溶接現象に定義される用語の一つです。
カスケード法は、多層盛溶接のビードの盛り方による溶着順序(溶着法とも言われ、1本の溶接線を溶接する場合に、溶接操作によって溶着金属が溶接部に溶着する順序)の一種です。
カスケード法は、多層盛溶接のにおいて、中央からビードを盛り上げながら左右に進んでいく溶着順序(溶着法)のことです。
多層盛溶接の溶着法(溶着順序)のカスケード法は、主に厚板の溶接に用いられ、ブロック法と同様、残留応力の軽減や変形の均等化などに効果があります。

キーホールとは、溶接技術の分野において術語として用いられる溶接用語で、アーク溶接の溶接現象に定義される用語の一つです。
キーホールは、溶接において、溶融池(溶接中アークなどの熱によってできた溶融金属のたまり)の先端の部分でアーク熱などの熱源が母材の裏側へ貫通してできる円孔のことです。

クリーニング作用とは、溶接技術の分野において術語として用いられる溶接用語で、アーク溶接の溶接現象に定義される用語の一つです。
クリーニング作用は、アークの清浄作用とも言われ、イナートガスアーク溶接(Ar、He 若しくはその混合物のイナートガス又はこれらに少量の活性ガスを添加して、シールドガスとして用いて行うアーク溶接)において、アークが母材表面上の酸化皮膜を除去して、表面を清浄化する現象のことです。
アルミニウム合金の溶接などでは、クリーニング作用(アークの清浄作用)を利用することにより、母材表面の酸化物が除去されます。

クレータとは、溶接技術の分野において術語として用いられる溶接用語で、アーク溶接の溶接現象に定義される用語の一つです。
クレータは、溶接ビードの最後の部分(終端)にできる窪み(くぼみ)のことです。
なお、クレータの部分に発生する溶接割れを、クレータ割れ(高温割れの一種)といいます。

クロム当量とは、溶接技術の分野において術語として用いられる溶接用語で、アーク溶接の溶接現象に定義される用語の一つです。
クロム当量(Cr当量)は以下の式で表される、クロム(Cr)と同等の効果を表すフェライト生成元素の指数を表したもののことです。
・クロム当量(Cr当量) = %Cr+%Mo+1.5%Si+0.5%Nb

グロビュール移行とは、溶接技術の分野において術語として用いられる溶接用語で、アーク溶接の溶接現象に定義される用語の一つです。
グロビュール移行は、溶滴移行の一種で、電極(溶極)となる溶接ワイヤの先端がアーク熱によって溶融し、溶滴が大きな粒となって母材へ移行する溶滴移行のことです。
グロビュール移行の溶滴は、電極(溶極)の直径かそれ以上の大きな溶滴となって移行します。
グロビュール移行は、一般にはスパッタは多く、低水素系溶接棒、炭酸ガスアーク溶接、小電流のマグ溶接・ミグ溶接などに見られます。

スカラップとは、溶接技術の分野において術語として用いられる溶接用語で、アーク溶接の溶接現象に定義される用語の一つです。
スカラップは、突合せ継手(母材がほぼ同じ面内の溶接継手)とこれに交差する方向のすみ肉継手(ほぼ直交する二つの面を溶接する三角形状の断面をもつ溶接継手)がある場合に、下図のように、一方の母材に扇形の切欠き(切り抜き)を設けるもののことです。
すみ肉溶接同士の交差部に設けるものもスカラップの一種になります。
スカラップは、交差部に不溶融部や溶接欠陥を残さないようにするために用いられます。ただし、スカラップは応力が集中するので、繰り返し荷重下では疲労亀裂の発生源となる恐れがあります。

ストリンガビードとは、溶接技術の分野において術語として用いられる溶接用語で、アーク溶接の溶接現象に定義される用語の一つです。
ストリンガビードは、1回のパスによって作られた溶接金属(溶接部の一部で、溶接中に溶融凝固した金属)である、ビードの一種です。
ストリンガビードは、溶接における運棒において、ウィービング(溶接棒を溶接方向に対してほぼ直角に交互に動かしながら溶接する運棒方法)を行わないで線状に置いたビードのことです。

ストロングバックとは、溶接技術の分野において術語として用いられる溶接用語で、アーク溶接の溶接現象に定義される用語の一つです。
ストロングバックは、俗称としては”馬”ともいい、突合せ溶接(母材がほぼ同じ面内の溶接継手となる溶接)において、母材板の相互の目違い(母材間の基準面同士のくい違い)を修正したり、角変形(溶接によって部材又は構造物に生じる横曲がり変形)やねじれを防止する目的で一時的に取り付けるためのジグの一種のことです。

スパッタとは、溶接技術の分野において術語として用いられる溶接用語で、アーク溶接の溶接現象に定義される用語の一つです。
スパッタは、溶接中に飛散するスラグや金属粒のことで、一般に溶接品質の妨げになるもののことです。
スパッタは、主にアークを熱源とするアーク溶接やガス溶接などの溶融接合(融接)、ろう接(ろう又ははんだを用いて、母材をできるだけ溶融しないでぬれ現象で接合する、ろう付及びはんだ付の総称)において発生します。

スパッタ損失とは、溶接技術の分野において術語として用いられる溶接用語で、アーク溶接の溶接現象に定義される用語の一つです。
スパッタ損失は、溶接中に発生するスパッタ(アーク溶接、ガス溶接、ろう接などにおいて、溶接中に飛散するスラグ及び金属粒)による金属の損失のことです。

スプレー移行とは、溶接技術の分野において術語として用いられる溶接用語で、アーク溶接の溶接現象に定義される用語の一つです。
スプレー移行は、溶滴移行の一種で、電極(溶極)となる溶接ワイヤの先端がアーク熱によって溶融し、溶滴が溶接ワイヤ(電極)の径よりも小さい粒となってアーク中を飛行して母材へ移行する溶滴移行のことです。
スプレー移行は、一般にはスパッタは少なく、アークも安定しやすい溶滴移行です。

スラグとは、溶接技術の分野において術語として用いられる溶接用語で、アーク溶接の溶接現象に定義される用語の一つです。
スラグは、溶接部(溶接金属及び熱影響部を含んだ部分の総称)に発生する非金属物質のことです。
なお、溶接の際に溶融スラグが浮上せずに溶接金属中に残ったものは、スラグ巻き込みといい、溶接欠陥の一種になります。

スラグハンマとは、溶接技術の分野において術語として用いられる溶接用語で、アーク溶接の溶接現象に定義される用語の一つです。
スラグハンマは、スラグ(溶接部に生じる非金属物質)など、溶接表面で溶接品質の妨げになるような物質を除去するために用いられるハンマのことです。

ニッケル当量とは、溶接技術の分野において術語として用いられる溶接用語で、アーク溶接の溶接現象に定義される用語の一つです。
ニッケル当量(Ni当量)は、以下のJIS規格用語における式で表される通り、Ni(ニッケル) と同等の効果を表すオーステナイト生成元素の指数を表したもののことです。

バタリングとは、溶接技術の分野において術語として用いられる溶接用語で、アーク溶接の溶接現象に定義される用語の一つです。
バタリングは、突合せ溶接(母材がほぼ同じ面内の溶接継手となる溶接)を行う際に、突合せ溶接継手の開先面にサーフェシング(肉盛溶接、溶射などのように、母材表面に金属を溶着させる方法)を行うことをいいます。

パスとは、溶接技術の分野において術語として用いられる溶接用語で、アーク溶接の溶接現象に定義される用語の一つです。
パスは、各種の溶接される継手(溶接継手)に沿って行う一回の溶接操作のことです。

パス間温度とは、溶接技術の分野において術語として用いられる溶接用語で、アーク溶接の溶接現象に定義される用語の一つです。
パス間温度は、複数のパス(溶接継手に沿って行う1回の溶接操作)での溶接において、次のパスを開始する前のパスの最低温度のことです。
パス間温度は、1パスで且つ1層の場合のパス間温度を特に、層間温度といいます。
パス間温度は、鋼材、溶接材料、溶接方法ごとに許容される最高パス間温度を予め定めておく必要があります。

ビードとは、溶接技術の分野において術語として用いられる溶接用語で、アーク溶接の溶接現象に定義される用語の一つです。
ビードは、1回のパスによって作られた溶接金属(溶接部の一部で、溶接中に溶融凝固した金属)のことです。
なお、パスとは、各種の溶接継手に沿って行う一回の溶接操作のことです。

ピーニングとは、溶接技術の分野において術語として用いられる溶接用語で、アーク溶接の溶接現象に定義される用語の一つです。
ピーニングは、特殊なハンマーで溶接部(溶接金属及び熱影響部を含んだ部分の総称)を連続的に打撃して、表面層に塑性変形を与える操作のことです。

フェライト量とは、溶接技術の分野において術語として用いられる溶接用語で、アーク溶接の溶接現象に定義される用語の一つです。
フェライト量は、オーステナイト系ステンレス鋼溶接金属中に含まれるフェライト組織の含有量のことです。
オーステナイト系ステンレス鋼の溶接部は、凝固割れ(高温割れの一種である溶接欠陥の一つ)が起こりやすい鋼ですが、溶接金属に発生する割れの防止のためには、溶接金属中のフェライト量が約5〜10%であれば効果的であるといわれていますが、フェライトは他の弊害(耐食性の劣化など)ももたらすので過大にならないようにする必要があります。

(溶着順序の)ブロック法とは、溶接技術の分野において術語として用いられる溶接用語で、アーク溶接の溶接現象に定義される用語の一つです。
ブロック法は、多層盛溶接のビードの盛り方による溶着順序(溶着法とも言われ、1本の溶接線を溶接する場合に、溶接操作によって溶着金属が溶接部に溶着する順序)の一種です。
ブロック法は、多層盛溶接のにおいて、1ブロックごとにビードを完成していく溶着順序(溶着法)のことです。
多層盛溶接の溶着法(溶着順序)のブロック法は、主に厚板の溶接に用いられます。

一時的溶接とは、溶接技術の分野において術語として用いられる溶接用語で、アーク溶接の溶接現象に定義される用語の一つです。
一時的溶接は、つり上げ金具の溶接や、ストロングバック(俗に馬ともいい、突合せ溶接に際して、板相互の目違いを修正するとともに、角変形やねじれを防止するために一時的に取り付けるためのジグの一種)などを一時的に行う溶接のことです。

予熱とは、溶接技術の分野において術語として用いられる溶接用語で、アーク溶接の溶接現象に定義される用語の一つです。
予熱は、溶接や熱切断(熱を用い、材料を局部的に溶融又は燃焼して切断する方法の総称)の際に、事前に母材に行う熱処理の一種です。
予熱を行うことにより、溶接時の継手部の冷却速度を遅くすることができるため、溶接部の急冷による硬化を防止して、低温割れ(ビード下割れ、止端割れなど、溶接後、溶接部の温度が常温付近に低下してから発生する割れの総称)や水素の拡散を防ぐ効果があります。

余盛とは、溶接技術の分野において術語として用いられる溶接用語で、アーク溶接の溶接現象に定義される用語の一つです。
余盛は、例えば、突合せ溶接の開先やすみ肉溶接で必要寸法以上に表面から盛り上がった部分の溶着金属(溶加材から溶接部に移行した金属)のことです。以下の参考図の斜線の部分になります。
余盛は、”よもり”と読みます。

入熱とは、溶接技術の分野において術語として用いられる溶接用語で、アーク溶接の溶接現象に定義される用語の一つです。
入熱は、溶接入熱とも言われ、溶接のを行う際に、外部から溶接部(溶接金属及び熱影響部を含んだ部分の総称)に与えられる熱量のことで、以下の式で与えられる熱量Hのことです。
・H=60EI/ν (J/cm)
I:溶接電流(A:アンペア)
V:アーク電圧(V:ボルト)
ν:溶接速度(アークの移動速度)(cm/min)

再アークとは、溶接技術の分野において術語として用いられる溶接用語で、アーク溶接の溶接現象に定義される用語の一つです。
再アークは、溶接棒で溶接を行う際に、一度アークを発生させて溶接を行った後に、アークを中断させて改めて出すアークのことです。

初アークとは、溶接技術の分野において術語として用いられる溶接用語で、アーク溶接の溶接現象に定義される用語の一つです。
初アークは、溶接棒で溶接を行う際に、新しい溶接棒で最初に出すアークのことです。
初アークは、”しょアーク”と読みます。

(溶着順序の)前進法とは、溶接技術の分野において術語として用いられる溶接用語で、アーク溶接の溶接現象に定義される用語の一つです。
前進法は、溶接方向による溶着順序(溶着法とも言われ、1本の溶接線を溶接する場合に、溶接操作によって溶着金属が溶接部に溶着する順序)の一種です。
前進法は、下の参考図のように、溶接方向と溶着方向とが同一になるように溶着する溶着順序(溶着法)のことです。

埋れアークとは、溶接技術の分野において術語として用いられる溶接用語で、アーク溶接の溶接現象に定義される用語の一つです。
埋れアークは、溶接における溶融部分の状態をあらわすもので、アークの長さを短く保って、溶接ワイヤがアークで掘られた溶融池(溶接中アークなどの熱によってできた溶融金属のたまり)の中まで突っ込んだ状態のことです。
埋れアークは、”うもれアーク”と読みます。

完全溶込みとは、溶接技術の分野において術語として用いられる溶接用語で、アーク溶接の溶接現象に定義される用語の一つです。
完全溶込みは、下の参考図の通り、各種の溶接継手において、継手の板厚全ての領域にわたっている溶込みのことです。
完全溶込み溶接継手の溶接継手において、完全溶込みが実現できていない場合には、溶込み不良という溶接欠陥になります。

(溶着順序の)対称法とは、溶接技術の分野において術語として用いられる溶接用語で、アーク溶接の溶接現象に定義される用語の一つです。
対称法は、溶接方向による溶着順序(溶着法とも言われ、1本の溶接線を溶接する場合に、溶接操作によって溶着金属が溶接部に溶着する順序)の一種です。
対称法は、振分け法とも言われ、溶接線長手中央部から両端に対称的に溶接を行う溶着順序(溶着法)のことです。
対称法は、横収縮が溶接線について均等になることを狙った溶着順序(溶着法)です。

層とは、溶接技術の分野において術語として用いられる溶接用語で、アーク溶接の溶接現象に定義される用語の一つです。
層は、溶接金属(溶接部の一部で、溶接中に溶融凝固した金属)の層のことです。
層は、一つ又は複数のパス(溶接継手に沿って行う一回の溶接操作)から構成されます。

後戻りスタート運棒法とは、溶接技術の分野において術語として用いられる溶接用語で、アーク溶接の溶接現象に定義される用語の一つです。
後戻りスタート運棒法は、被覆アーク溶接における溶接棒の運棒法の一つです。
後戻りスタート運棒法では、溶接開始位置の10〜20mm溶接方向前方でアークを発生させ、その後、溶接開始位置に後戻りして改めて溶接ビードを置く運棒方法のことです。

後熱とは、溶接技術の分野において術語として用いられる溶接用語で、アーク溶接の溶接現象に定義される用語の一つです。
後熱は、溶接部(溶接金属及び熱影響部を含んだ部分の総称)やガス切断(ガス炎で加熱し、金属と酸素の急激な化学反応を利用して行う切断)部に、後から加熱することです。
後熱は、”ごねつ”と読みます。

(溶着順序の)後退法とは、溶接技術の分野において術語として用いられる溶接用語で、アーク溶接の溶接現象に定義される用語の一つです。
後退法は、溶接方向による溶着順序(溶着法とも言われ、1本の溶接線を溶接する場合に、溶接操作によって溶着金属が溶接部に溶着する順序)の一種です。
後退法は、バックステップ溶接とも言われ、下の参考図のように、溶接方向と溶着方向とが反対になるように溶着する溶着順序(溶着法)のことです。

拘束ジグとは、溶接技術の分野において術語として用いられる溶接用語で、アーク溶接の溶接現象に定義される用語の一つです。
拘束ジグは、溶接用ジグ(溶接用治具)の一種で、溶接によって生じる変形を拘束したり、適当なひずみを与えることによって溶接製品精度を高めるために用いられるジグ(治具)のことです。

拡散性水素とは、溶接技術の分野において術語として用いられる溶接用語で、アーク溶接の溶接現象に定義される用語の一つです。
拡散性水素は、溶接金属(溶接部の一部で、溶接中に溶融凝固した金属)の部分の結晶格子内を自由に移動できる原子状の水素のことです。
溶接金属中の水素量が増加すると、低温割れ(溶接後、溶接部の温度が常温付近に低下してから発生する割れの総称)の発生原因ともなります。

(熱影響部の)最高硬さとは、溶接技術の分野において術語として用いられる溶接用語で、アーク溶接の溶接現象に定義される用語の一つです。
鋼の溶接熱影響部における硬さの変化は、溶接ボンド部(溶融部と母材との境界の部分)からの距離に応じたミクロ組織の変化に伴って現れますが、この硬さの変化のピーク値のことを、(熱影響部の)最高硬さといいます。
溶接熱影響部の最高硬さは、鋼の組成や溶接時の溶接条件で著しく相違しますが、鋼の溶接性の目安の一つとなっています。

棒プラスとは、溶接技術の分野において術語として用いられる溶接用語で、アーク溶接の溶接現象に定義される用語の一つです。
棒プラスは、DCEPとも言われ、直流アーク溶接における接続方法の一つです。直流アーク溶接において、電極又は溶接棒を溶接電源の陽極(プラス)側に、母材を陰極(マイナス)側に接続する方法のことです。溶接棒ではなく、溶接ワイヤの場合には、ワイヤプラスと言われます。

棒マイナスとは、溶接技術の分野において術語として用いられる溶接用語で、アーク溶接の溶接現象に定義される用語の一つです。
棒マイナスは、DCENとも言われ、直流アーク溶接における接続方法の一つです。直流アーク溶接において、電極又は溶接棒を溶接電源の陰極(マイナス)側に、母材を陽極(プラス)側に接続する方法のことです。溶接棒ではなく、溶接ワイヤの場合には、ワイヤプラスと言われます。

止端とは、溶接技術の分野において術語として用いられる溶接用語で、アーク溶接の溶接現象に定義される用語の一つです。
止端は、下図のように各種の溶接された継手(溶接継手)において、母材の面と溶接ビードの表面とが交わる点のことです。
止端は、”したん”と読みます。
なお、止端の部分に発生する溶接割れを、止端割れ(低温割れの一種)といいます。

残留応力とは、溶接技術の分野において術語として用いられる溶接用語で、アーク溶接の溶接現象に定義される用語の一つです。
残留応力は、構造物や部材に残留している応力のことです。
溶接部は、例えばアーク溶接ではアークの熱源によって局所的に急激に加熱された後、母材周辺への熱伝導などによって冷却されます。溶接によって加熱されるところが溶接線に沿った狭い領域であるため、その領域が加熱されたときは膨張し、周辺の加熱されない部分の拘束によって圧縮されて塑性ひずみを生じ、冷却時には収縮するために大きな引張応力が発生します。
これが、溶接における残留応力になります。

母材接続とは、溶接技術の分野において術語として用いられる溶接用語で、アーク溶接の溶接現象に定義される用語の一つです。
母材接続は、帰線接続ともいい、下図のように溶接機の溶接電源の一方の端子と母材を溶接用ケーブルで接続することです。

溶接のままとは、溶接技術の分野において術語として用いられる溶接用語で、アーク溶接の溶接現象に定義される用語の一つです。
溶接のままとは、溶接したままの状態で、溶接を行った後、溶接部(溶接金属及び熱影響部など)に、熱処理やピーニング(特殊なハンマーで溶接部を連続的に打撃して、表面層に塑性変形を与える操作)などで材質的な変化を与えていない状態のことを意味します。

溶接の有効長さとは、溶接技術の分野において術語として用いられる溶接用語で、アーク溶接の溶接現象に定義される用語の一つです。
溶接の有効長さは、溶接部(溶接金属及び熱影響部を含んだ部分の総称)の長さを表すもので、その溶接部が、計画された寸法どおりの断面をもっている溶接部の全長のことです。

溶接ひずみとは、溶接技術の分野において術語として用いられる溶接用語で、アーク溶接の溶接現象に定義される用語の一つです。
溶接ひずみは、溶接を行ったことによって溶接部材に生じる変形のことです。
溶接ひずみ(溶接変形)は、溶接熱による不均質な膨張と冷却中の収縮の結果発生し、横収縮、縦収縮、縦曲がり変形、回転変形、角変形などの溶接ひずみ(溶接変形)があります。

溶接後熱処理とは、溶接技術の分野において術語として用いられる溶接用語で、アーク溶接の溶接現象に定義される用語の一つです。
溶接後熱処理は、溶接部(溶接金属及び熱影響部を含んだ部分の総称)や溶接構造物に行う熱処理の一種で、『 Post Weld Heat Treatment 』の頭文字から、『PWHT』とも言われる熱処理です。
また、溶接後熱処理(PWHT)は、通常、応力除去焼なましとも呼ばれ、溶接残留応力(構造物又は部材に残留している応力)の緩和を主な目的とする熱処理です。

溶接性とは、溶接技術の分野において術語として用いられる溶接用語で、アーク溶接の溶接現象に定義される用語の一つです。
溶接性は、JISでは以下のように、良好な溶接を行うことができる母材の能力を表すもの、と定義されますが、実際には、欠陥のない健全な溶接が可能かという、溶接加工上の狭義の溶接性と、溶接後の継手性能が使用目的などを満足できるか、という使用性能に関する広義の溶接性が考えられます。

溶接線とは、溶接技術の分野において術語として用いられる溶接用語で、アーク溶接の溶接現象に定義される用語の一つです。
溶接線は、ビード或いは溶接線を一つの線と仮定して表すときの線のことを意味するものです。

溶接記号とは、溶接技術の分野において術語として用いられる溶接用語で、アーク溶接の溶接現象に定義される用語の一つです。
溶接記号は、溶接の種類、開先の形状・寸法、工場溶接と現場溶接の区別など、溶接に関する事項を図面(設計図面)によって指示するための記号のことです。
溶接記号は、JIS規格においては、以下のJIS規格に規定されています。
『 JIS Z 3021 溶接記号 Symbolic Representation of Welds 』
JIS Z 3021 溶接記号 には、基本記号や補助記号などの溶接記号の規定とその記載例が一覧されて表にまとめられて解説されています。

溶接軸とは、溶接技術の分野において術語として用いられる溶接用語で、アーク溶接の溶接現象に定義される用語の一つです。
溶接軸は、下の参考図のように、溶接用語としての定義は、溶接線(ビード、溶接部を一つの線として表すときの仮定線)に直角な溶接部の断面の図心を通して、その断面に垂直な線と定義されます。

溶接速度とは、溶接技術の分野において術語として用いられる溶接用語で、アーク溶接の溶接現象に定義される用語の一つです。
溶接速度は、溶接作業において、溶接ビードを置く速度のことで、一般的には毎分当たりのビード長さで表されるものです。

溶接電流とは、溶接技術の分野において術語として用いられる溶接用語で、アーク溶接の溶接現象に定義される用語の一つです。
溶接電流は、例えばアーク溶接ではアーク熱を発生させるためなど、溶接を行うために必要な熱を与えるために流す電流のことです。

溶接順序とは、溶接技術の分野において術語として用いられる溶接用語で、アーク溶接の溶接現象に定義される用語の一つです。
溶接順序は、数多くの溶接継手によって構成されるような溶接構造物におけて溶接を実施する際に、それらの各溶接継手の溶接を行う順序を決定することを意味します。
溶接順序を選定する場合には、溶接構造物に著しい拘束が生じないこと、変形や大きな残留応力が生じないこと、構造物が正しい形状を保つこと、溶接欠陥が発生しないことなど、総合的に考慮して決定する必要があります。

溶滴とは、溶接技術の分野において術語として用いられる溶接用語で、アーク溶接の溶接現象に定義される用語の一つです。
溶滴は、それ自身が溶融・消耗するような消耗電極(溶極ともいい、アーク溶接・切断において、アーク中で溶融する電極)である溶接棒や溶接ワイヤの先端から溶融して母材に移行する溶けた金属粒のことです。
溶滴は、消耗電極である溶接ワイヤや溶接棒を通して流れる電流による抵抗加熱とアーク熱によって、電極が溶融されることによって発生します。
一般的には、電極から移行する溶滴の大きさが大きすぎたり、ふぞろいになると、アークが不安定になります。

溶滴移行とは、溶接技術の分野において術語として用いられる溶接用語で、アーク溶接の溶接現象に定義される用語の一つです。
溶滴移行は、それ自身が溶融・消耗するような消耗電極(溶極ともいい、アーク溶接・切断において、アーク中で溶融する電極)である溶接棒や溶接ワイヤの先端から溶融金属が母材に移行する現象のことです。
溶滴移行の移行形態には、溶接法や溶接条件によっていくつかの形態があります。例えば、ガスシールドアーク溶接の主な移行形態には、グロビュール移行(ドロップ移行、反発移行)、スプレー移行(プロジェクテッド移行、ストリーミング移行など)、短絡移行などがあります。

溶着率とは、溶接技術の分野において術語として用いられる溶接用語で、アーク溶接の溶接現象に定義される用語の一つです。
溶着率は、溶着効率ともいい、溶接を行ったことによる溶接棒の消耗質量に対する溶着金属(溶加材から溶接部に移行した金属)の質量比のことです。
溶接コストを向上するためには溶着率を上げることも重要な要素になります。

溶着速度とは、溶接技術の分野において術語として用いられる溶接用語で、アーク溶接の溶接現象に定義される用語の一つです。
溶着速度は、各種の溶接において、溶着金属(溶加材から溶接部に移行した金属)が生成される速さを表すもので、単位時間あたりに置かれる溶着金属の質量で表されるものです。

溶着順序とは、溶接技術の分野において術語として用いられる溶接用語で、アーク溶接の溶接現象に定義される用語の一つです。
溶着順序は、一本の溶接線(ビード、溶接部を一つの線として表すときの仮定線)を溶接する場合に、溶接によって溶着金属(溶加材から溶接部に移行した金属)が溶接部に溶着する順序のことで、溶着させる方法という意味では、溶着法とも言われます。また、多層溶接の場合には、積層順序と言われます。
溶着順序(溶着法)には、溶接線方向に対する溶着順序(溶着法)と、多層盛における溶着順序(溶着法)とがあります。

溶融池とは、溶接技術の分野において術語として用いられる溶接用語で、アーク溶接の溶接現象に定義される用語の一つです。
溶融池は、溶接の際にアーク熱その他などの熱によって電極や母材が溶融してできた溶融金属のたまりのことです。
溶融池は、”ようゆうち”と読みます。

溶融速度とは、溶接技術の分野において術語として用いられる溶接用語で、アーク溶接の溶接現象に定義される用語の一つです。
溶融速度は、各種の溶接において、溶接棒が溶融する速さを表すもので、単位時間あたりに溶融される量で表されるものです。

溶込みとは、溶接技術の分野において術語として用いられる溶接用語で、アーク溶接の溶接現象に定義される用語の一つです。
溶込みは、下の参考図の通り、母材が溶融凝固した部分の最頂点と、溶接する母材の面の表面との距離のことです。
溶込みには、完全溶込みの溶接と、部分溶込みの溶接とがあります。

目違いとは、溶接技術の分野において術語として用いられる溶接用語で、アーク溶接の溶接現象に定義される用語の一つです。
目違いは、溶接を行う母材間の基準面どうしのくい違いのことです。
突合せ溶接の場合には、以下の参考図のようになります。

短絡アーク溶接とは、溶接技術の分野において術語として用いられる溶接用語で、アーク溶接の溶接現象に定義される用語の一つです。
短絡アーク溶接は、アーク溶接の一つの方法で、炭酸ガスアーク溶接やミグ溶接などのガスシールドアーク溶接において、溶接ワイヤが溶融池(溶接中アークなどの熱によってできた溶融金属のたまり)に接触するたびに、溶融金属が母材へ移行するアーク溶接のことです。
短絡アーク溶接は、ショートアーク溶接とも言われ、小電流のミグ溶接などでは、電圧を低くすることでアーク長(アークの両端間の距離)を小さくして短絡移行を利用します。溶け込みが浅いので薄板の溶接に用いられる溶接です。

短絡移行とは、溶接技術の分野において術語として用いられる溶接用語で、アーク溶接の溶接現象に定義される用語の一つです。
短絡移行は、電極(溶極)となる溶接ワイヤの先端が母材と短絡して溶融金属が母材へ移行する現象のことです。電極の溶滴が溶融池(溶接中アークなどの熱によってできた溶融金属のたまり)と接触し、瞬間的にアークが消滅して橋絡状態となって、ピンチ力や表面張力によってこの部分がちぎれて、間欠的に移行します。
ショートアーク溶接(短絡アーク溶接)は、この短絡移行の現象を利用しています。

磁気吹きとは、溶接技術の分野において術語として用いられる溶接用語で、アーク溶接の溶接現象に定義される用語の一つです。
磁気吹きは、アークブローとも言われ、アーク溶接における溶接現象の一つで、アークが電流の磁気作用によって偏向する現象のことです。
磁気吹きは、溶接電流によって生じる磁界や母材の残留磁気がアーク柱の電流に非対称に作用することによって起こります。特に、開先底部やT継手を直流アーク溶接する場合に、継手の始端、終端で起こりやすい現象です。
磁気吹きは、母材の磁化防止や脱磁処理、母材へのケーブル接続を対称的にすることなどによって軽減されます。

積層とは、溶接技術の分野において術語として用いられる溶接用語で、アーク溶接の溶接現象に定義される用語の一つです。
積層は、溶接において、溶接線(ビード、溶接部を一つの線として表すときの仮定線)に沿って行う二層以上の複数の層の溶接操作のことです。
尚、層とは、一つ又はそれ以上のパスからなる溶接金属の層のことです。

(ワイヤの)突出し長さとは、溶接技術の分野において術語として用いられる溶接用語で、アーク溶接の溶接現象に定義される用語の一つです。
ワイヤの突出し長さは、下図のように、コンタクトチップ(単にチップともいい、電極ワイヤを案内するとともに溶接電流を供給する円筒形の導体)の先端から溶接ワイヤが突出している長さのことです。

(すみ肉の)脚長とは、溶接技術の分野において術語として用いられる溶接用語で、アーク溶接の溶接現象に定義される用語の一つです。
脚長は、下の参考図のように、すみ肉溶接(ほぼ直角に交わる二つの面のすみに溶接する、三角形の断面をもつ溶接)において、すみ肉継手のルート(根元の部分)からすみ肉溶接の止端(母材の面と溶接ビードの表面とが交わる点)までの距離のことです。
脚長は、”きゃくちょう”と読みます。

角変形とは、溶接技術の分野において術語として用いられる溶接用語で、アーク溶接の溶接現象に定義される用語の一つです。
角変形は、溶接を行ったことによって部材或いは構造物に生じる横曲がり変形のことです。
厚板の突合せ溶接では、板の表面と裏面で溶接順序による拘束の程度や溶着量の違いによって収縮量が非対称になって角変形を発生しやすくなります。
また、すみ肉溶接の角変形は、一般には層数にほぼ正比例して大きくなります。

逆ひずみとは、溶接技術の分野において術語として用いられる溶接用語で、アーク溶接の溶接現象に定義される用語の一つです。
逆ひずみは、溶接を行ったことによって溶接部材に生じる変形(溶接ひずみ)の変形量を予測して逆方向に与えておくひずみ(歪)のことです。
突合せ溶接やすみ肉溶接の場合には、予め溶接部材に逆方向に角変形を与えた状態で溶接することにより、予測して与えた逆ひずみが正しければ、最終的に角変形量をほぼ0にすることができます。

運棒比とは、溶接技術の分野において術語として用いられる溶接用語で、アーク溶接の溶接現象に定義される用語の一つです。
運棒比は、溶接棒によって溶接を行った場合、溶接棒の単位長さ当たりで形成された溶接ビード(1回のパスによって作られた溶接金属)の長さの割合のことです。

遷移温度とは、溶接技術の分野において術語として用いられる溶接用語で、アーク溶接の溶接現象に定義される用語の一つです。
遷移温度は、材料がある温度を境として破壊の形態が変わる変曲点の温度のことです。
金属材料の破壊様式(形態)は、高温では延性破壊しますが、温度低下に伴って破壊形態が遷移して脆性破壊を起こすようになりますが、このような破壊形態が変化する温度のことを、遷移温度といいます。

部分溶込みとは、溶接技術の分野において術語として用いられる溶接用語で、アーク溶接の溶接現象に定義される用語の一つです。
部分溶込みは、下の参考図の通り、各種の溶接継手において、継手の板厚全ての領域にわたらない溶込みのことです。
部分溶込みの寸法は下図のようにaやbの値になります。

(溶着順序の)飛石法とは、溶接技術の分野において術語として用いられる溶接用語で、アーク溶接の溶接現象に定義される用語の一つです。
飛石法は、溶接方向による溶着順序(溶着法とも言われ、1本の溶接線を溶接する場合に、溶接操作によって溶着金属が溶接部に溶着する順序)の一種です。
飛石法は、スキップ溶接とも言われ、飛び飛びに一定区間に区切って溶接を行う溶着順序(溶着法)のことです。
飛石法は、溶接熱を分散させて横収縮を均等にし、回転変形を小さくし、また薄板で問題となる縦収縮による座屈変形を小さくする目的をもった溶着順序(溶着法)です。
飛石法は、”とびいしほう”と読みます。