スプレー移行
スプレー移行とは、溶接技術の分野において術語として用いられる溶接用語で、アーク溶接の溶接現象に定義される用語の一つです。
スプレー移行は、溶滴移行の一種で、電極(溶極)となる溶接ワイヤの先端がアーク熱によって溶融し、溶滴が溶接ワイヤ(電極)の径よりも小さい粒となってアーク中を飛行して母材へ移行する溶滴移行のことです。
スプレー移行は、一般にはスパッタは少なく、アークも安定しやすい溶滴移行です。
ミグ溶接やアルゴン(Ar)80%を含むマグ溶接では、小電流ではグロビュール移行(アークによって溶けた溶接ワイヤ先端が大きな粒となって母材へ移行すること)ですが、電流値がある臨界電流値をこえると、スプレー移行に変化します。
JIS規格 溶接用語(JIS Z 3001)における、スプレー移行の定義は以下です。
分類:アーク溶接 ≫ 溶接現象番号:2614
用語:スプレー移行
定義:
アークによって溶けた溶接ワイヤ先端がワイヤ径よりも小さな粒となって母材へ移行すること。対応英語(参考):
spray transferISO番号(参考):−