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浸透探傷試験




浸透探傷試験とは、溶接技術の分野において術語として用いられる溶接用語で、試験の非破壊試験に定義される用語の一つです。
浸透探傷試験は、素材、製品などを破壊せずに、欠陥の有無、その存在位置、大きさ、形状、分布状態などを調べる試験である非破壊試験の一種です。
浸透探傷試験は、溶接表層部において、素材を破壊することなく調べることができる代表的な非破壊試験のことです。
浸透探傷試験は、浸透液を用いることによって試験体表面のきずや割れなどの欠陥を検出する非破壊試験です。
浸透探傷試験は、”(liquid) Penetrant Testing”を略して、”PT”という記号で表されます。

浸透探傷試験では、まず試験面の清掃処理を行った後に試験体表面に浸透液を塗布します。一定時間放置後、浸透液がきずの内部に浸透るので、その後、表面に残っている浸透液を拭き取り現像液を吹き付けると、現像液がきずの内部に染み込んだ浸透液を吸い出す作用が働いて、拡大した像の指示模様となって現れ、きずを検出することができます。

浸透探傷試験は、用いる浸透液によって、染色浸透探傷試験と蛍光浸透探傷試験とに分類されます。
染色浸透探傷試験は、明るい場所で使用され、色のコントラストを利用してきずを検出します。
一方、蛍光浸透探傷試験は、暗所で使用され、ブラックライトで照射して観察し、きずを検出します。

JIS規格においては、浸透探傷試験の規格として、以下の規格が規定されています。
・JIS Z 2343-1
非破壊試験―浸透探傷試験―第1部:一般通則:浸透探傷試験方法及び浸透指示模様の分類
・JIS Z 2343-2
非破壊試験―浸透探傷試験―第2部:浸透探傷剤の試験
・JIS Z 2343-3
非破壊試験―浸透探傷試験―第3部:対比試験片
・JIS Z 2343-4
非破壊試験―浸透探傷試験―第4部:装置

JIS規格 溶接用語(JIS Z 3001)における、浸透探傷試験の定義は以下です。

分類: 試験 ≫ 非破壊試験

番号:6317

用語:浸透探傷試験

定義:
試験体表面に開口しているきずに浸透液を浸透させた後、拡大した像の指示模様としてきずを観察する非破壊試験。染色浸透探傷試験と蛍光浸透探傷試験とに分けられる(JIS Z 2343 参照)。
略記号 PT

対応英語(参考):
liquid penetrant testing

ISO番号(参考):−