超音波探傷試験
超音波探傷試験とは、溶接技術の分野において術語として用いられる溶接用語で、試験の非破壊試験に定義される用語の一つです。
超音波探傷試験は、素材、製品などを破壊せずに、欠陥の有無、その存在位置、大きさ、形状、分布状態などを調べる試験である非破壊試験の一種です。
超音波探傷試験は、溶接内部や材質などを、素材を破壊することなく調べることができる代表的な非破壊試験のことです。
超音波探傷試験では、接触子から発生させる超音波を試験材に伝達させた際の、試験材が示す音響的性質を利用した非破壊試験方法です。
超音波探傷試験は、”Ultrasonic Testing”を略して、”UT”という記号で表されます。
超音波探傷試験の特徴としては、開口幅の狭い亀裂、融合不良、ラミネーションなどのような溶接欠陥でも十分に検出できることなどが挙げられます。
ただ、一方では、被試験体表面に近い欠陥は検出が困難であること、表面の形状によっては欠陥の区別がつきにくいこと、試験記録が残しにくいこと、検査員の技量が結果を左右しやすいことなどが欠点として挙げられます。
JIS規格においては、溶接部の超音波探傷試験に関する規格がいくつか定められていますが、鋼溶接部に対して、『JIS Z 3060 鋼溶接部の超音波探傷試験方法 』の規格がよく引用されています。
この規格には主に以下の内容が規定されています。
・適用範囲
・探傷面
・周波数
・屈折角
・検出レベル
・きずの分類
JIS規格 溶接用語(JIS Z 3001)における、超音波探傷試験の定義は以下です。
分類: 試験 ≫ 非破壊試験番号:6309
用語:超音波探傷試験
定義:
超音波を試験体中に伝えたときに、試験体が示す音響的性質を利用して、試験体の内部欠陥、材質などを調べる非破壊試験(JIS Z 2344 参照)。
略記号 UT対応英語(参考):
ultrasonic testingISO番号(参考):−