放射線透過試験
放射線透過試験とは、溶接技術の分野において術語として用いられる溶接用語で、試験の非破壊試験に定義される用語の一つです。
放射線透過試験は、素材、製品などを破壊せずに、欠陥の有無、その存在位置、大きさ、形状、分布状態などを調べる試験である非破壊試験の一種です。
放射線透過試験は、溶接用語においては、溶接内部の欠陥の有無やその状態などを、素材を破壊することなく調べることができる代表的な非破壊試験のことです。
放射線透過試験では、放射線を試験体に照射して、透過した放射線の強さの変化から欠陥やきずの有無・状態などを調べます。
放射線透過試験は、”Radiographic Testing”を略して、”RT”という記号で表されます。
放射線には、x線、α線、β線、γ線、電子線、中性子線などがありますが、放射線透過試験用いられる放射線としては、x線とγ線が広く利用されています。
放射線透過試験では、放射線に感光するフィルムを試験体の底面側に置いて放射線を照射すると、放射線が試験体を透過してフィルムに到達し、フィルムを感光(黒化)させます。
その際、透過放射線の強さは、試験材の厚さが大きいほど弱くなるので、もし、試験材中に空隙(きず)があると、その部分の透過放射線強度は周囲より増大するために、フィルムを強く感光(黒化)させます。
その結果、フィルムにきずに対応した黒化像が映し出され、溶接内部のきずを検出することができます。
JIS規格においては、鋼溶接部に対して、『JIS Z 3104 鋼溶接継手の放射線透過試験方法 』が規定されており、
・撮影方法
・透過写真の具備すべき条件
・きずの分類
などについて定められています。
JIS規格 溶接用語(JIS Z 3001)における、放射線透過試験の定義は以下です。
分類: 試験 ≫ 非破壊試験番号:6306
用語:放射線透過試験
定義:
放射線を試験体に照射し、透過した放射線の強さの変化から欠陥の状態などを調べる非破壊試験。線源として、x線、γ線又は中性子線が用いられる。
略記号 RT対応英語(参考):
radiographic testing;
radiographyISO番号(参考):−