低温割れ
低温割れとは、溶接技術の分野において術語として用いられる溶接用語で、アーク溶接の溶接部の欠陥に定義される用語の一つです。
低温割れは、溶接部における溶接欠陥のうち、割れ状となって発生する溶接割れの一種です。
低温割れは、溶接を行った後、溶接部の高温が常温付近に低下してから発生する割れの総称です。
低温割れは、熱影響部や溶接金属において溶接加工中、あるいは数日中に発生する割れで、溶接金属中に導入される水素が大きく関係し、遅れ割れの傾向を示す溶接割れです。
低温割れは、一般にその形状が鋭い切り欠きになるので、溶接欠陥の中でも特に重大な欠陥の一つです。
低温割れが発生する主な要因としては以下が挙げられます。
・溶接部に導入された水素量
・溶接部の拘束応力、残留応力
・溶接金属又は熱影響部の硬化組織の存在
主な低温割れには、突合せ溶接やすみ肉溶接のルート部の応力集中で発生するルート割れや、熱影響部のビード下割れ、止端割れなどの溶接割れがあります。
JIS規格 溶接用語(JIS Z 3001)における、低温割れの定義は以下です。
分類: アーク溶接 ≫ 溶接部の欠陥番号:2818
用語:低温割れ
定義:
溶接後、溶接部の温度が常温付近に低下してから発生する割れの総称。ビード下割れ、止端割れなどはこの割れに属する。対応英語(参考):
cold crackISO番号(参考):−