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融合不良




融合不良とは、溶接技術の分野において術語として用いられる溶接用語で、アーク溶接の溶接部の欠陥に定義される用語の一つです。
融合不良は、溶接部における溶接欠陥の一種で、欠陥が表面からは確認できない内部欠陥の一つです。
融合不良は、以下の参考図のように、溶接ビードと開先面の間、ビード間など、溶接境界面同士が互いに十分に溶けあっていないことによる溶接欠陥のことです。

融合不良は、溶込み不良と同様、静的強さ、構造物の延性、疲れ強さ、ぜい性破壊などの溶接部の性能に影響を及ぼしうる溶接欠陥です。条件によっては、腐食、応力腐食割れ、腐食疲れなどの溶接部の性能に影響を及ぼす場合もあります。

融合不良の防止対策には以下のようなことが有効とされます。
・溶接面を滑らか・清浄にし、十分な入熱で溶込みを確保する。
・次の層(又は次のパス)の溶接前の形状の修正。
・凸形のビード形状は避ける。
・短絡移行アークによう多層盛溶接では、溶込みが浅くならないよう注意する。
・ガスシールドアーク溶接では、ビード表面のスラグ除去、開先角度不足の防止、過大なウィービングの制限、ワイヤ角度・位置を適正にする。

JIS規格 溶接用語(JIS Z 3001)における、融合不良の定義は以下です。

分類: アーク溶接 ≫ 溶接部の欠陥

番号:2811

用語:融合不良

定義:
溶接境界面が互いに十分に溶け合っていないこと。

対応英語(参考):
lack of fusion;
incomplete fusion

ISO番号(参考):6520の400

融合不良の参考図

融合不良の参考図