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裏はつり




裏はつりとは、溶接技術の分野において術語として用いられる溶接用語で、アーク溶接の溶接施工に定義される用語の一つです。
裏はつりは、突合せ溶接(突合せ継手に用いる溶接)において、開先底部の溶込み不良(溶接欠陥の一種で、完全溶込み溶接継手の場合に溶け込まない部分があること)の部分、或いは溶接ビードの第一層部分などを裏面から はつり取ることです。
突合せ継手の被覆アーク溶接などの初層は、融合不良、ブローホール、スラグ巻き込み、割れなどの溶接欠陥が生じやすいので、一般に重要な継手の場合には、裏当てを用いるか、完全な裏波が得られる片面溶接の場合を除いて、裏はつりを行う必要があります。

一般に用いられる裏はつりの方法には以下のものがあります。

たがねはつり
たがねによって機械的にはつり取る方法。

ガスガウジング
予熱炎で裏はつりを行う箇所を加熱し、酸素を吹きつけて酸化反応で形成された酸化鉄を吹き飛ばして溝を掘ることによる裏はつりの方法。

エアアークガウジング
母材を局部的に溶融させて、アークの発生と同時にエアアークガウジング用のトーチから圧縮空気を噴出させて溶融させた金属を吹き飛ばすことによって瞬間的に溝を掘る裏はつりの方法

プラズマアークガウジング
プラズマアーク切断法を応用した裏はつりの方法。ガウジング面に付着物がなく、騒音やヒュームが少ない。

JIS規格 溶接用語(JIS Z 3001)における、裏はつりの定義は以下です。

分類:アーク溶接 ≫ 溶接施工

番号:2710

用語:裏はつり

定義:
突合せ溶接で、開先の底部の溶込み不良の部分又は第一層部分などを裏面から はつり取ること。

対応英語(参考):
back chipping;
back gouging

ISO番号(参考):−