被覆剤
被覆剤とは、溶接技術の分野において術語として用いられる溶接用語の一つで、アーク溶接の溶接材料に定義される用語の一つです。
被覆剤は、被覆アーク溶接棒(溶接棒とも言い、アーク溶接の電極として用いる溶接棒で、フラックスを施してあるもの)の心線(被覆アーク溶接棒における金属線)に塗布してあるフラックス(溶接又はろう接の際に、母材及び溶加材の酸化物などの有害物を除去し、母材表面を保護し、又は溶接金属の精錬を行う目的で用いる材)のことです。
被覆剤は、溶接棒の作業性や溶接金属(溶接部の一部で、溶接中に溶融凝固した金属)の機械的性質を確保するためものです。
被覆剤は、一般的に金属粉や有機物などを水ガラスと混合して心線の表面に塗布・乾燥して固化させたもので、主に、アーク安定剤、スラグ形成剤、ガス発生剤、脱酸剤などの機能を果たします。
JIS規格 溶接用語(JIS Z 3001)における、被覆剤の定義は以下です。
分類:アーク溶接 ≫ 溶接材料番号:2205
用語:被覆剤
定義:
被覆アーク溶接棒の心線に塗布してあるフラックス(1214参照)。対応英語(参考):
covering;
coating fluxISO番号(参考):−